大切な革バッグや財布、靴にカビが生えてしまった経験はありませんか?「アルコールで除菌すれば落ちるのでは?」と考える方も多いですが、革製品へのアルコール使用には注意が必要です。この記事では、革製品のカビ取りにアルコールが使えるケースと使えないケース、正しい手順、失敗しないための注意点を専門的な視点から徹底解説します。適切な方法を知ることで、大切な革製品を傷めずにカビを除去できます。
【結論】革製品のカビはアルコールで落とせる?使用可否を即答

革製品のカビ取りにアルコールは使用できますが、革の種類によって可否が分かれます。
一般的なスムースレザー(牛革・羊革など表面が滑らかな革)には慎重に使用可能ですが、デリケートな革には使用できません。
アルコール(消毒用エタノール)はカビの細胞を破壊する効果があり、黒カビなど自宅で発生しやすいカビには除菌効果が期待できます。
ただし、アルコールは革の油分を奪い、変色や硬化を引き起こすリスクがあるため、最終手段として慎重に使用すべきです。
革専用のカビ取りクリーナーを使用する方が安全性は高いですが、手元にない場合の応急処置としてアルコールが有効です。
アルコールでカビ取りできる革の種類
アルコールが使用できる革製品は以下の通りです:
- スムースレザー(表面が滑らかな牛革):バッグ、財布、ベルトなど
- クロムなめし革:比較的耐久性が高く、水分に強い革
- 表面に仕上げ加工が施された革:顔料仕上げやコーティングされた革
- ガラスレザー:表面がツルツルした光沢のある革
これらの革は表面が比較的丈夫で、適切に希釈したアルコール(70〜80%濃度)を布に含ませて軽く拭く方法であれば、ダメージを最小限に抑えられます。
ただし、どんな革でも事前に目立たない場所でテストすることが必須です。
アルコールNGの革製品一覧(スエード・ヌメ革・エナメル等)
以下の革製品にはアルコールを絶対に使用しないでください:
- スエード・ヌバック:起毛革は水分を吸収しやすく、シミや色ムラの原因になる
- ヌメ革(タンニンなめし革):無染色・無加工の革で、アルコールで変色・硬化しやすい
- エナメル革(パテントレザー):表面のコーティングが白濁・剥離する危険性
- オイルドレザー:油分が抜けて乾燥・ひび割れの原因に
- 染料仕上げの革:色落ちしやすく、ムラになる
- ベロア・バックスキン:毛足が潰れたり、変色したりする
革製品へのアルコール直接噴射は、変色や硬化のリスクが高いため推奨されていません。
これらの革には、革専用クリーナーを使用するか、プロのクリーニング業者に依頼することをおすすめします。
使用するアルコールの種類と推奨濃度
革製品のカビ取りに使用するアルコールは、消毒用エタノール(濃度70〜80%)が最適です。
カビに対する抑制効果が高いのはアルコール度数80%前後で、消毒用エタノールやパストリーゼ77(77%)が推奨されます。
無水エタノール(99%以上)をそのまま使用するのは厳禁です。
濃度が高すぎると揮発が早すぎてカビ除菌効果が十分に発揮されず、革へのダメージも大きくなります。
- 消毒用エタノール:濃度76.9〜81.4%、そのまま使用可能
- 無水エタノール:精製水で薄めて濃度80%前後に調整(無水エタノール80ml+精製水20ml)
- パストリーゼ77:アルコール度数77%、食品添加物としても使える安全性
ドラッグストアで購入できる一般的な消毒用エタノールが、コストと効果のバランスが良く、最も扱いやすい選択肢です。
【準備編】革製品のカビ取りに必要な道具7つ

革製品のカビ取り作業を安全かつ効果的に行うために、以下の道具を事前に揃えましょう。
適切な道具を準備することで、革を傷めずにカビを除去できます。
消毒用エタノール(70〜80%濃度)
カビの除菌に最も重要なアイテムで、ドラッグストアやホームセンターで500ml あたり500〜800円程度で購入できます。
スプレータイプと液体タイプがありますが、革製品には液体タイプを布に含ませて使う方法が安全です。
スプレーを直接吹きかけると、液量のコントロールが難しく、革が過度に濡れてシミになる危険があります。
80%程度の濃度に調整されたエタノールは、カビを殺す効果が高く、普段の掃除やカビのある場所の掃除に適しています。
柔らかい布・使い捨て手袋・マスク
カビ取り作業には以下の安全装備が必要です:
- 柔らかい布(マイクロファイバークロスやガーゼ):革を傷つけない素材、最低3〜4枚用意
- 使い捨て手袋:ゴム製またはビニール製、カビの胞子や化学物質から手を保護
- マスク:カビの胞子を吸い込まないため、不織布マスクが効果的
カビの胞子は空気中に舞いやすく、吸い込むとアレルギー反応や呼吸器系のトラブルを引き起こす可能性があります。
特に広範囲にカビが発生している場合は、必ずマスクと手袋を着用してください。
布は使い捨てにするか、作業後すぐに洗濯してカビ胞子を除去しましょう。
革用クリーム(保湿ケア用)
アルコール使用後の革は油分が奪われて乾燥しやすいため、保湿ケア用の革用クリームが必須です。
- デリケートクリーム:無色透明で革の色を選ばない、初心者におすすめ
- ミンクオイル:浸透性が高く、深い保湿効果がある
- 乳化性クリーム:水分と油分をバランス良く含む
革の種類に合ったクリームを選び、カビ取り後24時間以内に保湿ケアを行うことで、革の柔軟性と光沢を保てます。
その他の準備物として、ブラシ(馬毛ブラシ)、新聞紙またはビニールシート(作業場所の保護用)、ゴミ袋(カビを拭き取った布を密封廃棄)も用意しておくと作業がスムーズです。
【実践】アルコールで革製品のカビを取る6ステップ

革製品のカビ取りは、正しい手順で行うことが成功の鍵です。
以下の6ステップを順番に実践することで、革を傷めずに効果的にカビを除去できます。
ステップ1:換気の良い場所で作業する
カビ取り作業は必ず屋外またはベランダなど換気の良い場所で行いましょう。
室内で作業する場合は、窓を全開にして換気扇を回し、カビの胞子が室内に拡散しない環境を作ります。
カビ取り作業中はカビの胞子が空気中に舞うため、十分な換気が必要です。
エタノールは揮発性が高く、密閉空間で使用すると気分が悪くなる可能性もあります。
作業場所には新聞紙やビニールシートを敷き、カビや液体が床に落ちないよう保護してください。
ステップ2:乾いた布でカビを軽く払い落とす
アルコールを使う前に、乾いた柔らかい布でカビを軽く払い落とします。
この段階ではゴシゴシ擦らず、軽くポンポンと叩くようにカビを除去します。
強く擦ると、カビが革の内部に押し込まれたり、革の表面が傷ついたりする危険があります。
白カビ(表面的なカビ)の場合は、この段階でかなりの量が取れます。
使用した布はすぐにビニール袋に密閉して廃棄し、カビ胞子が再び飛散しないようにしましょう。
ステップ3:目立たない場所でテストする
アルコールを使用する前に、革製品の目立たない場所(裏側・底面・内側など)で必ずテストしてください。
消毒用エタノールを少量布に含ませ、小さな範囲(1cm四方程度)に軽く塗布します。
5〜10分待って、変色・色落ち・硬化などの異常がないか確認します。
問題がなければ全体への使用を進めますが、少しでも変色や質感の変化が見られたら、アルコール使用を中止してください。
特に染料仕上げの革や濃い色の革は、アルコールで色落ちしやすいため、このテスト工程は絶対に省略できません。
ステップ4:アルコールを含ませた布で優しく拭く
テストで問題がなければ、消毒用エタノールを布に適量含ませ、カビの部分を軽く叩くように拭き取ります。
消毒用エタノールを染み込ませた布でカビを拭き取る際は、軽く叩きながら拭き取る方法が推奨されます。
革に直接スプレーせず、必ず布に含ませてから使用してください。
拭く際は一方向に優しく動かし、円を描くように擦らないことが重要です。
カビが広範囲に広がっている場合は、布を頻繁に交換しながら作業し、カビを広げないようにします。
エタノールがカビのタンパク質を分解するため、塗布後20分程度放置すると効果が高まります。
ステップ5:乾いた布で拭き取り陰干しする
アルコールでカビを拭き取った後は、乾いた清潔な布で余分な水分を拭き取ります。
その後、風通しの良い日陰で完全に乾燥させます。
直射日光は絶対に避けてください。紫外線は革を変色・硬化させる原因になります。
乾燥時間の目安は24〜48時間で、湿度の高い日はさらに時間がかかる場合があります。
革が完全に乾く前に保管したり使用したりすると、カビが再発する危険性が高まります。
乾燥中は革製品を平らに置くか、型崩れしないようハンガーや詰め物を使用してください。
ステップ6:革用クリームで保湿ケアする
革が完全に乾燥したら、革用クリームで保湿ケアを行います。
アルコールは革の油分を奪うため、このステップを省略すると革がひび割れたり硬くなったりします。
デリケートクリームを少量(小豆大)を柔らかい布に取り、革全体に薄く均一に伸ばすように塗布します。
塗りすぎるとベタつきやシミの原因になるため、少量を複数回に分けて塗るのがコツです。
クリームを塗った後は、乾いた布で余分なクリームを拭き取り、さらに30分〜1時間陰干ししてクリームを革に馴染ませます。
この保湿ケアにより、革の柔軟性と美しい光沢が復活し、長持ちする状態になります。
【アイテム別】革バッグ・財布・靴・ジャケットのカビ取りポイント

革製品の種類によって、カビ取りの際に注意すべきポイントが異なります。
各アイテムに特化したケア方法を理解することで、より効果的にカビを除去できます。
革バッグのカビ取りで注意すべき点
革バッグは外側だけでなく内側にもカビが発生しやすいため、両面をチェックしましょう。
革製バッグの内側にもカビが発生している場合があり、内側も丁寧にケアする必要があります。
内側の布地にカビが生えている場合は、中性洗剤を薄めた水で拭き取るか、取り外し可能なら洗濯します。
金具部分にカビが付着している場合は、金属用のクリーナーまたは乾いた布で個別に拭き取ります。
バッグの角や縫い目など、カビが溜まりやすい部分は綿棒にエタノールを含ませて丁寧に処理します。
型崩れを防ぐため、乾燥中はバッグの中に新聞紙や不織布を詰めて形を保持してください。
革財布の細部(縫い目・小銭入れ)のケア
革財布は縫い目・カードポケット・小銭入れの隅などにカビが発生しやすい構造です。
これらの細部は通常の布では届きにくいため、綿棒や歯間ブラシにエタノールを含ませて使用します。
小銭入れは特に皮脂や汚れが溜まりやすく、カビの栄養源になるため、カビ取り後は中性洗剤で軽く拭き取ることをおすすめします。
財布は毎日使うアイテムなので、完全に乾燥するまで使用を控え、予備の財布を用意しておくと良いでしょう。
カード類は取り出してアルコール除菌し、財布が完全に乾いてから戻してください。
革靴のカビ取りと型崩れ防止
革靴は内側(インソール部分)にもカビが発生しやすいため、外側と内側の両方を処理します。
革靴のカビ取りでは、スプレーボトルにアルコールを入れてカビ部分に噴霧し、しっかり拭き取る方法が紹介されています。
ただし、直接スプレーするよりも布に含ませて拭く方が安全です。
インソールは取り外し可能なら外して、日陰で別途乾燥させます。
靴の内側は湿気が溜まりやすいため、除菌後は新聞紙を丸めて中に詰め、湿気を吸収させながら乾燥させます。
型崩れを防ぐため、シューキーパー(木製が理想)を入れて形を保持してください。
靴底にもカビが生えている場合は、靴底用クリーナーで別途処理します。
革ジャン・レザージャケットの広範囲カビ対策
革ジャンやレザージャケットは面積が広いため、カビが広範囲に広がっている場合は複数回に分けて作業します。
革ジャンのカビ取りでは、固く絞ったタオル、ブラッシング、消毒用エタノールでの拭き上げが推奨されています。
まずハンガーにかけて、パネルごと(前身頃・後身頃・袖など)に分けて処理すると効率的です。
裏地にもカビが生えている場合は、裏返して内側も同様に処理します。
ジャケットの襟・袖口・ポケット周辺は特に皮脂汚れが付きやすく、カビの好む場所なので、重点的にケアしてください。
乾燥は必ずハンガーにかけた状態で風通しの良い日陰で行い、直射日光は避けます。
広範囲のカビやしつこい黒カビの場合は、自己処理が難しいためプロのクリーニング業者に依頼することも検討してください。
革製品のカビ取りで失敗しないための5つの注意点

革製品のカビ取りは、適切な方法で行わないと革を傷める危険があります。
以下の5つの注意点を守ることで、失敗を防ぎ、大切な革製品を守ることができます。
無水エタノール(99%)をそのまま使わない
無水エタノール(濃度99%以上)を希釈せずに使用するのは絶対に避けてください。
濃度が高すぎると、揮発が早すぎてカビの除菌効果が十分に発揮されず、革の油分を過度に奪って乾燥・硬化・ひび割れの原因になります。
無水エタノールを使用する場合は、精製水で80%前後に希釈してから使用してください(無水エタノール80ml+精製水20ml)。
最も安全で効果的なのは、市販の消毒用エタノール(70〜80%)をそのまま使用することです。
革に直接スプレーしない
エタノールを革製品に直接スプレーすると、液量が多すぎて革が過度に濡れ、シミや変色の原因になります。
アルコールを革に直接吹きかけることは、変色や硬化のリスクが高いため推奨されていません。
必ず布にエタノールを含ませてから、軽く拭く・叩く方法で使用してください。
この方法なら液量をコントロールでき、革へのダメージを最小限に抑えられます。
スプレーボトルは便利ですが、革製品のカビ取りでは液体タイプを布に取って使う方が安全です。
ゴシゴシ擦ると色落ち・傷の原因に
カビを落とそうと力を入れてゴシゴシ擦ると、革の表面が傷ついたり、色落ち・色ムラが発生します。
特に染料仕上げの革や濃い色の革は、摩擦で簡単に色が落ちてしまいます。
カビ取りの基本は「優しく叩く・軽く拭く」で、力を入れずに丁寧に作業することが大切です。
一度で完全に落ちない場合は、複数回に分けて少しずつ処理する方が安全です。
革の繊維構造を壊さないよう、常に革の特性を尊重した扱い方を心がけましょう。
乾燥不十分だとカビが再発する
カビ取り後の乾燥が不十分だと、革の内部に残った湿気が原因でカビが再発します。
特に革バッグや革靴の内側は乾燥に時間がかかるため、最低24〜48時間は風通しの良い日陰で完全に乾燥させてください。
湿度が高い日や梅雨時期は、扇風機を弱風で当てると乾燥が早まります(ただし直接の強風は避ける)。
乾燥が不十分なまま保管したり使用したりすると、カビが数日〜数週間で再発する危険性が高まります。
完全に乾燥したかどうかは、革を触って冷たさや湿り気を感じないかで確認できます。
カビ臭が消えない場合は内部浸透のサイン
表面のカビは除去できてもカビ臭が残っている場合は、カビが革の内部まで浸透している可能性があります。
この状態では、表面的な処理だけでは根本的な解決にならず、革の繊維内部にカビの菌糸が残っていると考えられます。
内部まで浸透したカビには、専用のカビ取りクリーナーや、プロのクリーニング技術が必要です。
自己処理で改善しない場合は、革製品専門のクリーニング業者に相談することをおすすめします。
カビ臭を放置すると、革の劣化が進み、最終的には使用できなくなる危険性もあります。
革製品にカビが生える3つの原因

革製品のカビを効果的に予防するには、カビが発生する原因を理解することが重要です。
主な原因は湿度・汚れ・通気性の3つで、これらを管理することでカビの発生を大幅に減らせます。
湿度60%以上の保管環境
カビは湿度60%以上、温度20〜30℃の環境で急速に繁殖します。
特に梅雨時期や夏場、押し入れやクローゼットの奥など、湿気がこもりやすい場所での保管はカビの温床になります。
革は動物の皮を加工したもので、適度な水分を含んでおり、湿度が高いとその水分がカビの繁殖を助ける構造になっています。
湿度管理が不十分な環境では、数日〜数週間でカビが発生することもあります。
理想的な保管環境は湿度40〜50%、温度15〜20℃です。
皮脂・汚れがカビの栄養源になる
革製品に付着した皮脂・汗・手垢・食べ物の汚れなどは、カビの栄養源になります。
特に革バッグの持ち手、革財布の縁、革靴の内側など、直接肌に触れる部分には皮脂が蓄積しやすく、カビが発生しやすくなります。
使用後そのまま保管すると、汚れに湿気が加わり、カビが繁殖する最適な環境が生まれます。
定期的な清掃とメンテナンスが、カビ予防の基本です。
使用後は乾いた布で軽く拭き、汚れを除去してから保管する習慣をつけましょう。
通気性のない密閉保管
ビニール袋やプラスチックケースなど、通気性のない容器での保管はカビの原因になります。
密閉された空間では湿気が逃げず、革から出る水分が内部にこもり、カビが繁殖しやすい高湿度環境が作られます。
購入時のビニール袋に入れたまま保管するのも危険です。
革製品は呼吸する素材なので、適度な空気の流れが必要です。
保管には不織布の袋や通気性のある布袋を使用し、空気が循環する環境を保ちましょう。
アルコール以外の革製品カビ取り方法との比較

アルコール以外にも革製品のカビ取り方法はいくつかあります。
それぞれのメリット・デメリットを理解し、状況に応じて最適な方法を選択しましょう。
革専用カビ取りクリーナーのメリット
革専用カビ取りクリーナーは、革へのダメージを最小限に抑えながらカビを除去できる最も安全な選択肢です。
代表的な製品に、コロンブスの『レザーキュア カビ用クリーニングシート』があります。

革専用クリーナーのメリットは以下の通りです:
- 革の油分を保ちながらカビを除去できる成分配合
- 変色・色落ちのリスクが低い
- 使いやすいシートタイプも多く、初心者でも扱いやすい
- カビ予防効果も含まれている製品もある
価格は1,000〜2,000円程度で、デリケートな革や高価な革製品にはこちらを優先することをおすすめします。
革専用のモールドクリーナーは革に悪影響を及ぼしにくく、最も安全な選択肢です。
重曹は革製品には非推奨な理由
重曹は掃除に万能な印象がありますが、革製品のカビ取りには非推奨です。
重曹を使ったカビ取り方法も紹介されていますが、革の種類によっては注意が必要です。
重曹が革製品に適さない理由:
- アルカリ性が強く、革のタンパク質を変質させる危険がある
- 粒子が研磨剤として作用し、革の表面を傷つける可能性
- 革の油分を奪い、乾燥・硬化の原因になる
- 色落ち・変色のリスクが高い
重曹は布製品や壁のカビには効果的ですが、革製品には使用しない方が安全です。
革のカビ取りには、革の特性に配慮した専用クリーナーまたは適切に希釈したアルコールを使用してください。
プロのクリーニングに依頼すべきケースと料金相場
以下のような状況では、自己処理よりもプロのクリーニング業者に依頼することをおすすめします:
- 広範囲に黒カビが広がっている(革の30%以上)
- カビ臭が強く、表面処理では消えない
- 高価なブランド品や思い入れのある革製品
- スエード・ヌメ革などデリケートな革
- 自己処理で悪化させてしまった
プロのクリーニング料金相場:
- 革バッグ:5,000〜15,000円
- 革財布:3,000〜8,000円
- 革靴:4,000〜10,000円
- 革ジャン・レザージャケット:10,000〜30,000円
料金はカビの程度や革の種類、ブランドによって変動しますが、専門的な技術と設備で革を傷めずにカビを根本から除去できるため、価値のある投資です。
革製品のカビを再発させない正しい保管方法

カビ取り後は、適切な保管方法を実践することでカビの再発を防ぎ、革製品を長く美しく保つことができます。
以下の3つのポイントを日常的に実践しましょう。
除湿剤・シリカゲルを活用する
革製品の保管場所には、除湿剤やシリカゲルを設置して湿度をコントロールします。
クローゼットや下駄箱には吊り下げタイプの除湿剤、革バッグの内部には小袋タイプのシリカゲルを入れると効果的です。
除湿剤は定期的に交換し(目安:2〜3ヶ月)、吸湿量が限界に達する前に新しいものと交換してください。
シリカゲルは再利用可能なタイプを選ぶと経済的で、電子レンジや天日干しで乾燥させれば繰り返し使えます。
理想的な湿度は40〜50%で、湿度計を設置してモニタリングすると管理しやすくなります。
月1回は風通しの良い場所で陰干し
使用していない革製品でも、月に1回は風通しの良い日陰で陰干ししてください。
この習慣により、革に溜まった湿気を放出し、カビの発生を予防できます。
陰干しの方法:
- ベランダや窓際の日陰にハンガーや台を使って置く
- 直射日光は絶対に避ける(変色・硬化の原因)
- 2〜3時間程度風に当てる
- 革バッグは口を開けて内部も空気に触れさせる
- 革靴は中敷きを外して内部を通気させる
陰干し後は、乾いた布で軽く拭き、革用クリームで軽くメンテナンスすると、革のコンディションが保たれます。
不織布袋で保管しビニール袋は避ける
革製品の保管には通気性のある不織布袋を使用してください。
ビニール袋やプラスチックケースは密閉性が高く、湿気がこもってカビの原因になるため絶対に避けましょう。
購入時に付属していた不織布の保存袋があれば、それを活用するのが最適です。
市販の不織布袋(100円ショップでも購入可能)でも十分効果があります。
その他の保管のポイント:
- 革製品同士を密着させない(色移りや通気性悪化を防ぐ)
- 詰め込みすぎない(空気の流れを確保)
- クローゼットや押し入れの扉を定期的に開ける(換気)
- 床から離して保管(湿気は下に溜まりやすい)
これらの保管方法を実践することで、カビの再発リスクを大幅に減らし、革製品を長く愛用できます。
革製品のカビ取りに関するよくある質問

革製品のカビ取りについて、読者から寄せられる疑問をQ&A形式で解説します。
Q. 100均のアルコールでも使える?
**A:** 100円ショップのアルコール製品でも、消毒用エタノールとして濃度70〜80%のものであれば使用可能です。ただし、製品によってはアルコール濃度が低い(50%以下)場合があり、その場合はカビ除菌効果が不十分です。購入時にパッケージでアルコール濃度を必ず確認してください。また、香料や添加物が含まれている製品は革にシミを作る可能性があるため、無添加のエタノール製品を選びましょう。
Q. 除菌シート・除菌スプレーでも代用できる?
**A:** 市販の除菌シートや除菌スプレーには、アルコール以外に界面活性剤・香料・保湿成分などの添加物が含まれていることが多く、革製品への使用はおすすめできません。これらの成分は革にシミを作ったり、変色させたりする危険があります。除菌シートは水分量も多く、革が過度に濡れる原因になります。革製品のカビ取りには、純粋な消毒用エタノール(70〜80%)または革専用クリーナーを使用してください。
Q. カビ臭だけ残っている場合の対処法は?
**A:** カビ臭が残っている場合、カビの菌糸が革の内部まで浸透している可能性があります。対処法として、①重曹を入れた袋と一緒に密閉容器で2〜3日保管して臭いを吸着させる、②コーヒーかすや炭などの消臭剤を革製品の近くに置く、③風通しの良い場所で数日間陰干しを繰り返す、などの方法があります。それでも改善しない場合は、プロのクリーニング業者に依頼して内部まで浸透した臭いを除去してもらうことをおすすめします。
Q. 白カビと黒カビで対処法は違う?
**A:** はい、カビの種類によって対処法が異なります。白カビ(表面的なカビ)は比較的除去しやすく、乾いた布で拭き取るだけで落ちることもあります。アルコールを使えばさらに確実に除去できます。一方、黒カビは革の内部まで根を張っていることが多く、色素沈着を起こしているため、完全に除去するのは困難です。黒カビの場合は、革専用カビ取りクリーナーを使用し、それでも落ちない場合はプロのクリーニングに依頼することをおすすめします。黒カビを無理に擦ると革を傷める危険があります。
Q. 合皮(フェイクレザー)にもアルコールは使える?
**A:** 合皮(合成皮革・フェイクレザー)にもアルコールは使用できますが、本革よりも注意が必要です。合皮は表面のコーティングがアルコールで溶けたり、白濁したりする可能性があります。使用前に必ず目立たない場所でテストし、変色や表面の変化がないか確認してください。合皮はPU(ポリウレタン)やPVC(ポリ塩化ビニル)製が多く、これらの素材は経年劣化でベタつきや剥離が起こりやすいため、優しく扱い、アルコールの使用は最小限に留めましょう。
まとめ
革製品のカビ取りにアルコールは使用できますが、革の種類や使用方法に注意が必要です。
- スムースレザーには慎重に使用可能だが、スエード・ヌメ革・エナメルには使用不可
- 消毒用エタノール(70〜80%濃度)を布に含ませて使うのが基本で、直接スプレーは厳禁
- 必ず目立たない場所でテストしてから全体に使用する
- 優しく拭き取り、完全に乾燥させてから革用クリームで保湿する
- 革専用カビ取りクリーナーの方が安全性が高いため、デリケートな革には専用品を推奨
- カビ予防には湿度管理・定期的な陰干し・通気性の良い保管が重要
大切な革製品を長く愛用するために、適切なカビ取り方法と日常的なメンテナンスを実践しましょう。広範囲のカビや内部まで浸透したカビには、無理せずプロのクリーニング業者に相談することも検討してください。


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